20220226

大山 三鈷峰(2022/2/26-27)メンバー/吉田、小林

山域
大山 三鈷峰
日程
2022/2/26-27
メンバー
吉田、小林
コースタイム
 
詳細
 

1月に吉田さんと挑んだ大山・三鈷峰北東ルンゼと西壁γルンゼ。一週前に吉田さんが偵察に行ってくれ、北東ルンゼのアプローチになる阿弥陀川は相変わらず雪で埋まっておらず水がジャージャー流れているということで、三鈷峰西壁γルンゼのリベンジと別山右稜に狙いを定めた。(敗退の記録はこちら↓)
http://www.oaac.sakura.ne.jp/chronicle/2021/20220107/0107d.pdf

7:20大山駐車場~10:20西壁ルンゼ基部~12:10上部岩壁基部~14:00三鈷峰山頂~16:30大山駐車場

25日金曜、なんばOCAT19:20発のバスにギリギリで乗り込む。最近忙しかったので、爆睡。あっという間に、23時前、米子駅着。吉田さんのお迎えで一路大山まで。吉田さんおススメの無料の槙原駐車場(暖房便座のトイレ付)で前泊。前回は吉田さんが前泊で飲み過ぎるという珍事があったので、今回はお互いビール1本で大人しく寝る。翌日は4:44起床の予定(ハンパな時間だが、ゾロ目が気に入った吉田さんの意向でこの時間になった)。
…が、飲み過ぎてないのに、今回も1時間の寝坊…。朝食、身支度を整え、上の駐車場に移動。7:20に大山寺から出発する。この時、ワカンを持つことを面倒に感じた我々は雪が締まっていることを期待して、ワカンを置いて行ってしまう…。前回は元谷との分岐からトレースが無くなり、下宝珠への登りからずーっとラッセルだった。期待通り、今回は下宝珠へのトレースが付いていたが、先に登っていたツボ足のソロの人がなかなかに埋まっており、数10mで引き返してきた…。むー、ワカン無しでは、これまたラッセル敗退か…。元谷方面はトレースびっちりなので、明日登る予定の別山右稜を今日登って、三鈷峰を明日にする案も考えたが、明日は天気が崩れそう。お互い三鈷峰のリベンジが主目的なので、ツボ足で頑張ることにする。
ワカンのトレースは付いているが、ツボ足では再ラッセル。しばらく登ると、遠くにラッセル頑張っているソロの人が見えた…。追い付いたら当然ラッセルすることになるが、ツボでは役立たず…。申し訳ないが、適度な距離感で下宝珠まで上がる。そこでトレース無ければ、いよいよ交代でラッセルだな…。と思っていたが、下宝珠越まで上がって左に宝珠岳、右に中宝珠、両方向に過去のトレースが付いていて、先のワカンの人は既に居なかった。ラッセルありがとうございました…。
とはいえ、その後もワカンのトレースなので、ところどころ埋もれながら中宝珠方面へ進む。前回より中宝珠寄り、看板があるところの最低コルで左のルンゼに下る。西壁には3つの顕著なルンゼがあり、左からα、β、γ。なので、目的のγルンゼは一番右。真っ直ぐ下ると底に下り過ぎてしまうので、トラバース気味に尾根を跨って進む感じ。前回よりなだらかだし、トラバースすればルンゼの底に下り過ぎないので、こちらからアプローチする方が良さそう。

 

 


ルンゼからクラストしていることを期待したが、ほぼ普通にラッセル。12時をタイムリミットにして、ルンゼを詰め始める。徐々に斜度が急になってきて、腰ラッセルになる。膝で蹴り込んで周りの雪を落として踏み固めていく。辛いけど密かにテンション上がるのは、山屋の性か…。

 


12:10上部の岩の基部に到達。期限の12時は過ぎてしまったが、上部はそこまでややこしくなさそうなので、このまま継続することにする。


最初は吉田さんトップで岩を右に巻くがあまり良く無さそう。なので、左巻きに変更。所々、岩が出ている。斜度もなかなかなので、ここでロープを出し、小林トップで登り始める。支点は無いので、吉田さんはスタンディングアックスでビレイ。一見ただの雪に見えるところも、中はつるりとした岩だったりして、思ったよりも悪い。岩が露出しているところに差し掛かる手前で中間支点を取りたいが、イボイノシシが決まらない。諦めてフリーで行くかと、雪を払って足場となる岩を探していたら、岩と岩の割れ目に土が見えたので、そこにイボイノシシを打った。全部は打ち込めなかったけど、これで大分安心。雪はモナカ状でカスカスだし、氷も岩に薄く張っているだけで、両アックスが決まらないが、片方決まれば良しとして、誤魔化しつつ上がった。その上にも岩が露出したところが一か所あり、そこは細―い枝でなけなしの支点を取った。そろそろロープいっぱいと思うが、良い支点は取れないので、アックス2本を雪に打ち込んで支点とした。
2P目、吉田さんリード。正面中央に岩壁があって、その奥も雪の付いた岩がごちゃごちゃして、まるで迷路。正面の岩壁を左に行くと稜線上に出そうだが、その後、上と繋がっているのかが分からないということで、右方面へ。結局あまり良くないということで、左に登っていった。「ロープ残り5m」のコールに何の返事も無く、さらにロープを伸ばしていくので、ロープ引っ張って教えないとダメかなと思っていたら、ちょうどロープいっぱいのところでビレイ解除の声。さすがのロープ感覚(ていうかまぐれ?)。2P目終了点はアックスとイボイノシシ1本で支点を作っていた。そこから念の為、ビレイしてもらい10mほどトラバースして稜線に上がると、トレースにぶち当たった。三鈷峰北稜からユートピア小屋に向かうトレースだろう。吉田さんは私の1P目をナイスリードと言ってくれたが、2P目も岩の迷路を避けて、上手いこと頂上直下の稜線に繋げてくれて、ナイスルートファインディングでした。
吉田さんにはノービレイで上がってきてもらい、そこから数mで三鈷峰の山頂まで。来年まで宿題を残さずリベンジ出来たことを称え合う。ここ半年くらい、何だかんだ敗退続きだったけど、目的のルートを完登し、ピークに立つというのはやはり格別ですね。

 


ユートピア小屋手前からトラバースし、宝珠尾根に下っていくパーティーが見える。トレースもバッチリ肉眼で確認出来るほどで、一安心。下っていくと、宝珠尾根の途中から元谷に下るトレースも付いており、その方がショートカットとのことだったので、そちらから下った。周りがワカンやスノーシューの中、我々は相変わらずツボ足で埋もれる…。途中、スノーシューのパーティーが北壁を目の前に、「いい景色ですね~」と喜んでいたが、地元の吉田さんにとっては「いつもの風景」とのことで全く無感動だったのが、何気にツボだった(ツボ足だけに?)。
16時半に大山駐車場に到着。この日も槙原駐車場に泊まる。翌日は別山右稜に登る予定だったが、目覚ましが鳴る頃、雨&雷。三鈷峰リベンジでほどよく満足してたので、結局、二度寝、三度寝を繰り返し、豪円湯院でゆっくりし、来年は大山のどこのルートを登ろうか相談しながら帰った。

(記録/小林)